婚活パーティー・街コンの勧誘の見分け方と断り方|マルチ商法・投資・宗教の誘いの合図、断る言葉の例、契約してしまった時のクーリング・オフと取消し(2026年10月確認)
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婚活パーティーや街コンで話が弾んだ相手から、後日「いい話があるから会わせたい人がいる」と誘われた。楽しかった時間を思い出すほど、疑うのは申し訳ない気持ちになるものです。勧誘の相手は、こうした好意や遠慮を利用して近づいてきます。この記事では、消費者庁と国民生活センターの資料をもとに、マルチ商法・投資・宗教的な話を入口にした勧誘の見分け方、角を立てずにきっぱり断る言葉の例、契約してしまった時に使えるクーリング・オフと取消しの決まりを整理します。
この記事のまとめ
- 国民生活センターに寄せられたマルチ取引の相談は、2025年度で4,003件。マッチングアプリで知り合った人にセミナーへ連れて行かれた事例も載っている
- 「紹介すれば報酬が入る」「会わせたい人がいる」「お金がないなら借りればいい」は、勧誘を疑う合図
- 断る時は「お金がない」ではなく「いりません」ときっぱり言う(国民生活センター)
- マルチ商法(連鎖販売取引)は書面か商品を受け取った遅いほうの日から20日以内、キャッチセールス・アポイントメントセールスは8日以内なら、クーリング・オフできる
- マルチ取引の相談件数と、最近の事例
- 会場・会の後・2回目以降で気づける、勧誘の合図
- その場で使える断り方の例
- 契約してしまった時のクーリング・オフ、取消し、相談先
この記事は、公的機関が公表している一般的な情報を整理したもので、個別の事情についての法律相談ではないです。契約がクーリング・オフや取消しの対象になるかは、契約の中身や勧誘のされ方で変わります。迷ったら、消費者ホットライン「188」で、お近くの消費生活センターに相談しましょう。

こんな不安はありませんか
- パーティーで知り合った人から、副業や投資の話をされて断りにくい
- 「すごい人に会わせたい」と言われて、何の集まりか分からないまま誘われている
- 相手に好意があるので、断ったら関係が終わってしまいそうで怖い
- 勢いで契約してしまったが、取り消せるのか分からない
どれも、恋愛や結婚への期待がある時ほど起きやすい悩みです。気づけなかったとしても、あなたが悪いわけではないです。一つずつ確かめていきましょう。
数字で見る:マルチ取引の相談は毎年4,000件以上
国民生活センターによると、全国の消費生活センターなどに寄せられ、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録されたマルチ取引の相談は、次のとおりです(国民生活センター, 2026年7月31日更新)。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2023年度 | 5,158件 |
| 2024年度 | 4,132件 |
| 2025年度 | 4,003件 |
(相談件数は2026年5月31日現在。消費生活センター等からの経由相談は含まない)
同じページの「最近の事例」には、マッチングアプリで知り合った女性にセミナーへ連れて行かれ、このセミナーを人に紹介するとお金がもらえると言われ、断り切れずに契約してしまったという相談が載っています。扱われる商品やサービスは、健康器具・化粧品・学習教材・出資などさまざまで、解約・返金の相談が多いとされています(国民生活センター)。
勧誘を見分ける合図
勧誘は、出会ったその場で始まるとは限らないです。何度か会って仲良くなってから、本題が出てくることもあります。段階ごとの合図をまとめました。
| 段階 | 気をつけたい合図 |
|---|---|
| 会場で | 結婚観より仕事・収入・副業の話が多い。「今の仕事に満足してる?」と何度も聞く。連絡先をすぐに聞き出そうとする |
| 会の後の連絡 | 「会わせたい人がいる」「勉強会に一緒に行こう」と、目的をはっきり言わずに誘う。待ち合わせ場所に知らない人が来る |
| 2回目以降 | 「紹介すれば報酬が入る」「すぐに元が取れる」と言う。仕組みを聞いても説明があいまい。「お金がないなら借りればいい」と借金やカードの高額決済を勧める |
消費者庁の特定商取引法ガイドによると、マルチ商法(法律上の「連鎖販売取引」)の勧誘をする人は、勧誘の前に、統括者の名前、契約の勧誘をする目的であること、商品やサービスの種類を告げなければならないとされています。また、勧誘の目的を告げずに誘い出し、公衆の出入りしない場所で勧誘することも禁止されています(消費者庁)。つまり、「ただ会わせたいだけ」と言われて行った先で契約の話が始まるのは、それだけで注意が必要なサインです。
「人を紹介すれば報酬が入る」と言って入会金・商品・セミナー代などの負担をさせる取引は、名目が何であっても連鎖販売取引に当たると、消費者庁は説明しています(消費者庁)。国民生活センターは、健康食品などの商品がなく、仕組みのよく分からない投資や副業を扱う「モノなしマルチ商法」についても注意を呼びかけ、実態や仕組みが分からないものは「契約しない」と助言しています(国民生活センター, 2019)。
マルチ・投資・宗教的な話、それぞれの入り方
| 種類 | よくある入り方 | 気づくための問い |
|---|---|---|
| マルチ商法 | 健康食品・化粧品のセミナー、副業の勉強会、「紹介すれば報酬」 | 自分が次の人を誘う仕組みになっていないか |
| 投資 | 暗号資産・FX・投資用マンション、「二人の将来のため」 | 会って間もない相手が、お金を動かす話をしていないか |
| 宗教的な話・開運 | 運勢・先祖・家族の不幸の話から、高額な品物や寄附を求める | 不安をあおったうえで、「これをしないと悪いことが起きる」と言われていないか |
宗教を信じること自体は自由です。気をつけたいのは、不安をあおって高額な品物や寄附を求める勧誘です。消費者庁は、「先祖の供養をしないと、その病気は治らない」と不安をあおられて高額な寄附や商品の購入をしてしまう事例があるとして、2023年に不当寄附勧誘防止法を施行し、消費者契約法も改正して霊感商法などの被害の救済を広げたと説明しています(消費者庁)。
出会った相手から投資の話が出た時の見分け方と相談先は、ロマンス詐欺の見分け方とマッチングアプリを安全に使うためにでまとめています。
その場で使える断り方
国民生活センターは、「お金が支払えない」という断り方をやめ、きっぱり断るよう呼びかけています。「お金がない」と言うと、「お金がなければ借りればいい」「もうかるので借金はすぐに返せる」と、借金をさせてまで契約を迫られる手口があるためです(国民生活センター, 2019)。理由を説明するほど、相手に言い返す材料を渡してしまいます。
- 「興味がないので、いりません」
- 「お金の話をする関係なら、これ以上会うのはやめておきます」
- 「家族と決めているので、契約はしません」
- 「今日は契約しません。帰ります」
断る時の動き方も決めておくと、慌てずにすみます。
- その場で書類に名前を書かない、カードを出さない
- 「帰ります」と言って席を立つ。理由は付け足さない
- 帰らせてもらえない時や怖いと感じた時は、店の人や周りの人に助けを求める。危険を感じたら110番する
- 家に帰ってから、連絡先をブロックし、主催会社に勧誘があったことを伝える
好意を持っていた相手でも、お金の話で関係を続けようとする人は、あなたとの将来を大切にしている人とは言いにくいです。断ったことで離れていく相手なら、その時点で分かってよかったと考えましょう。
契約してしまった時:クーリング・オフ
契約してしまっても、あきらめる必要はないです。特定商取引法では、取引の種類ごとに、決められた期間なら理由を問わず契約をやめられる「クーリング・オフ」が定められています(消費者庁)。
| 取引の種類 | よくある場面 | クーリング・オフの期間 |
|---|---|---|
| 連鎖販売取引(マルチ商法) | 「紹介すれば報酬」の商品・セミナー・投資の会員 | 法律で決められた書面を受け取った日(商品の引渡しが後ならその日)から20日以内 |
| 業務提供誘引販売取引 | 「仕事を紹介するので稼げる」と言われ、そのための教材などを買う | 法律で決められた書面を受け取った日から20日以内 |
| 訪問販売(キャッチセールス・アポイントメントセールスを含む) | 販売の目的を言わずにSNSなどで呼び出され、店や事務所で契約した | 法律で決められた書面を受け取った日から8日以内 |
(出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」。期間は、それぞれの書面などを受け取った日から数える)
消費者庁によると、アポイントメントセールスとは、電話や郵便、SNSなどで販売の目的をはっきり言わずに呼び出し、営業所などで契約させるやり方で、契約した場所が店や事務所でも訪問販売に当たる場合があります。事業者が事実と違うことを言ったり、おどしたりしたためにクーリング・オフをしなかった場合は、期間を過ぎてもクーリング・オフできます(消費者庁)。
マルチ商法の場合は、クーリング・オフの期間を過ぎても、将来に向かって契約をやめる(中途解約する)ことができます。退会した人は、入会後1年を経過していない、商品の引渡しから90日を経過していない、商品を再販売・使用していない、などの条件をすべて満たせば、商品の売買契約も解除できます(消費者庁)。
クーリング・オフのやり方:書面のほか、電子メール、事業者のウェブサイトのクーリング・オフ専用フォーム、FAXなどの「電磁的記録」でも通知できます。通知には、契約年月日・契約者名・購入した商品名・契約金額など、契約を特定する情報と、通知を出した日を書きましょう。書面なら特定記録郵便・書留・内容証明郵便などで送り、メールなら送信したメールを、フォームなら画面のスクリーンショットを保存しておくことが勧められています(消費者庁)。
期間を過ぎても:消費者契約法による取消し
クーリング・オフの期間を過ぎていても、勧誘のされ方によっては、消費者契約法で契約を取り消せる場合があります。条文に定められている主な場面は次のとおりです(消費者契約法 第4条第3項)。
- 帰りたいと言ったのに、勧誘されている場所から帰してもらえなかった
- 勧誘の目的を告げられないまま、自分から帰ることが難しい場所に連れて行かれた
- 相談のために誰かへ電話しようとしたのに、おどすような言動で止められた
- 恋愛感情を利用され、「契約しないと関係が終わる」と告げられた(社会生活上の経験が乏しいことから、相手も自分に好意を持っていると思い込んでいることを知りながら、それに乗じた場合)
- 霊感などの特別な能力による話として不安をあおられ、「重大な不利益を避けるには契約が必要」と告げられた
取り消せる期間は、原則として取り消せることに気づくなど追認できる時から1年、契約した時から5年です。霊感などを使った勧誘の場合は、それぞれ3年・10年です(消費者契約法 第7条)。恋愛感情を利用した、いわゆる「デート商法」の取消しについて、消費者庁は、事業者に取消しの意思を示したうえで当事者の間で解決する民事のルールで、最終的には個別の事案ごとに裁判で判断されると説明しています(消費者庁, 2023)。当てはまるか迷う時は、自分で判断せず、消費生活センターに相談しましょう。
困った時の相談窓口
- 契約・解約・クーリング・オフのこと:消費者ホットライン「188」(お近くの消費生活センターなどにつながる)
- 詐欺の疑いや、しつこいつきまとい:警察相談専用電話「#9110」。今まさに危険がある時は110番
- 法律の手続きのこと:法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時、祝日・年末年始を除く)。解決に役立つ法制度や相談窓口を無料で案内している(法務省, 2026)
- 霊感商法や不当な寄附の勧誘:消費者庁は、まず消費者ホットライン「188」に相談するよう案内している
安心して出会える方法を選ぶ
マッチングアプリは18歳未満の方は利用できません(出会い系サイト規制法)。
勧誘が心配で出会いの場に出るのが怖くなった人は、参加者の確かめ方がはっきりしている場を選ぶと、落ち着いて相手と向き合えます。婚活パーティーなら、受付で本人確認をするか、勧誘やビジネス目的の参加を禁止しているかを、主催会社の公式ページで確かめましょう。選び方は婚活パーティー・街コンの選び方と注意でまとめています。
結婚相談所は、入会の時に独身証明書などの提出を求めるところがあり、担当者に相手とのやり取りを相談しながら進められます。結婚相談所の契約は、期間が2か月を超え、契約金の総額が5万円を超える場合は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」としてクーリング・オフや中途解約のルールがあります(消費者庁)。費用の見方は結婚相談所のクーリング・オフと中途解約で確かめられます。相談所を比べる時は、2〜3社の資料を取り寄せて、同じ物差しで並べてみましょう。
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断ることは、出会いを大切にすることです。
勧誘に気づけたのは、あなたがちゃんと相手を見ていたからです。きっぱり断るのは冷たいことではなく、本当にあなたを大切にしてくれる人と出会うための準備です。怖い思いをした後でも、出会いそのものをあきらめる必要はないです。安心できる場を選んで、もう一度、一歩を踏み出しましょう。
今日からできる小さな一歩
- この記事の断り方から、自分が言いやすい一文を選んでスマホのメモに保存する
- スマホの電話帳に「188」と「#9110」を登録する
- 次に参加する婚活パーティーの公式ページで、本人確認と勧誘禁止の決まりを確かめる
最終確認日:2026年10月23日
参考にした資料
- 国民生活センター「各種相談の件数や傾向:マルチ取引」(2026年7月31日更新、2026年10月23日確認)
- 国民生活センター「友だちから誘われても断れますか?若者に広がる『モノなしマルチ商法』に注意!」(2019年7月25日)
- 国民生活センター「『お金がない』では断れない!きっぱり断りましょう」(2019年8月29日)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド:連鎖販売取引」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド:業務提供誘引販売取引」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド:訪問販売」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「特定商取引法ガイド:特定継続的役務提供」(2026年10月23日確認)
- 消費者庁「特定商取引法における電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A」(2026年10月23日確認)
- e-Gov法令検索「消費者契約法」(第4条第3項・第7条、2026年10月23日確認)
- 消費者庁「ホストクラブなどにおける不当な勧誘と消費者契約法の適用について(周知)」(2023年11月30日、PDF)
- 消費者庁「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」(2026年10月23日確認)
- 法務省「法務省だより あかれんが vol.93」そんなとき法テラスがお役に立ちます! Vol.72(2026年6月発行、2026年10月23日確認)