共同親権でも再婚はできる|2026年4月施行の改正民法で変わったこと、再婚相手との養子縁組・子どもの名字・引っ越しで必要な同意(2026年10月確認)
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「離婚の時に共同親権にしたから、もう再婚できないのでは」「再婚相手と子どもの養子縁組に、元の夫(妻)の同意がいるの?」。2026年4月1日に父母の離婚後の子の養育に関する改正民法が施行され、共同親権という言葉を目にする機会が増えました。新しい制度なので、不安になるのは自然なことです。この記事では、法務省・裁判所・こども家庭庁が公表している資料と民法の条文をもとに、共同親権と再婚の関係を、再婚を考える人に関係するところに絞って整理します。
この記事のまとめ
- 民法の結婚の条件(第731条〜第737条)に、前の結婚の子どもの親権に関する条件はないです。共同親権でも、あなたの再婚そのものは制限されない
- 共同親権のままだと、子どもの引っ越し・名字の変更・15歳未満の子の養子縁組などは、原則として元の配偶者と一緒に決めることになる
- 話し合いがまとまらない時は、家庭裁判所に「親権行使者の指定」を求める手続きが新しく設けられた。ただし養子縁組については、子どもの利益のため特に必要な場合に限られる
- 再婚相手と子どもが養子縁組をすると、親権者は「再婚相手と自分」になり、共同親権だった元の配偶者は親権を失う
- 「共同親権だと再婚できない」は本当か
- 2026年4月1日施行の改正で、再婚にかかわるところ
- 共同親権のままで再婚した時に「二人で決めること」と「一人で決められること」
- 再婚相手との養子縁組で必要な同意と、家庭裁判所の手続き
この記事は、公的機関が公表している一般的な情報を整理したもので、個別の事情についての法律相談ではないです。実際の手続きや判断は、法テラス、弁護士、家庭裁判所の手続案内などで確かめましょう。再婚の手続きとお金の全体(養育費・遺族年金・児童扶養手当など)は再婚で知っておきたい手続きとお金の基本にまとめています。

こんな不安はありませんか
- 共同親権にしたから、再婚には元の配偶者の許しがいるのでは
- 再婚相手の家に子どもと一緒に引っ越したいけれど、勝手に決めてよいのか分からない
- 再婚相手と子どもに養子縁組をしてほしいけれど、元の配偶者が反対しそう
- 改正前に単独親権で離婚したのに、共同親権に変わってしまうのでは
どれも、新しい制度が始まったばかりの今、多くの人が抱えている疑問です。一つずつ、公的な資料で確かめていきましょう。
「共同親権だと再婚できない」は本当か
結論から言うと、共同親権でも再婚はできます。民法が定める結婚の条件は、18歳以上であること(第731条)、重婚でないこと(第732条)、近い親族どうしでないこと(第734条〜第736条)などで、前の結婚の子どもの親権がどうなっているかは、条件に入っていないです(e-Gov法令検索「民法」)。女性だけにあった再婚禁止期間も、2024年4月1日に廃止されています(法務省, 2024)。
共同親権がかかわるのは、あなたの結婚ではなく、子どもについての決めごとです。法務省のパンフレットによると、父母の両方が親権者の時、親権は父母が共同して行うのが原則です(法務省民事局, 2026年1月改訂)。そのため、再婚に伴って子どもの暮らしを大きく変えること(引っ越し・名字・養子縁組など)は、元の配偶者と話し合って決める場面が出てきます。「再婚できない」のではなく、「子どもにかかわる一部のことは、二人で決める」と考えると整理しやすくなります。
2026年4月1日施行の改正で、再婚にかかわるところ
2024年5月17日に成立した民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)は、2026年4月1日に施行されました(法務省、2026年9月最終更新のページで確認)。再婚を考える人に関係が深いのは、次の点です(法務省民事局パンフレット)。
- 離婚後に、父母の両方を親権者とする「共同親権」か、一方だけの「単独親権」かを選べるようになった。話し合いがまとまらない時は家庭裁判所が決める
- 虐待のおそれがある時や、DVのおそれなどで父母が共同して親権を行うことが難しい時は、家庭裁判所は必ず単独親権と定める
- 改正前に離婚して単独親権と決めている場合、施行によって自動的に共同親権に変わることはない。子ども自身やその親族の申立てで、家庭裁判所が親権者を変更する場合はある
- 養子縁組の後に誰が親権者になるかが明確になり、養子縁組をめぐる父母の意見の対立を家庭裁判所が調整する手続きが新しく設けられた
つまり、すでに単独親権で離婚している人は、これまでと同じように、子どもについての決めごとを自分で進められます。この記事では、主に離婚後に共同親権を選んだ人が再婚する時に気をつけたいことを見ていきます。
共同親権のまま再婚した時、二人で決めることと一人で決められること
法務省のパンフレットと裁判所の案内では、父母の両方が親権者の時の決め方が、次のように説明されています。
| 区分 | 例 | 決め方 |
|---|---|---|
| 日常の行為 | 食事や服装、短期間の観光旅行、通常のワクチン接種、習い事、高校生の放課後のアルバイトの許可 | どちらか一人で決められる |
| 日常の行為に当たらないこと | 子どもの転居、進路に影響する進学先、心身に重大な影響を与える医療行為、預金口座の開設などの財産の管理 | 父母が共同して決める |
| 身分に関すること | 15歳未満の子の名字(氏)の変更、15歳未満の子の養子縁組の承諾 | 父母が共同して行う |
(法務省民事局パンフレット、裁判所「親権行使者の指定調停」をもとに当サイト作成。個別の事情によって扱いが変わることがあります)
再婚相手の家への引っ越し:子どもの転居は日常の行為に当たらない例に挙げられています(法務省民事局パンフレット)。共同親権のままなら、引っ越しの前に元の配偶者と話し合っておきましょう。法務省などのQ&A形式の解説資料では、父母の両方が親権者の時に、一方が正当な理由なく他方に無断で子どもの住む場所を変えることは、個別の事情によっては、父母がお互いの人格を尊重し協力する義務に違反すると評価される場合があるとされています(関係府省庁等連絡会議, 2026年9月11日改訂)。
「監護者」を決めている場合:共同親権でも、父母の一方を「監護者」と定めていれば、監護者は日常の行為に限らず、子どもの住む場所なども一人で決められます(法務省民事局パンフレット、民法第824条の3)。離婚の時の取り決めの書類を見直して、監護者の定めがあるかを確かめておきましょう。
急ぎの事情がある時:DVや虐待から避難する必要がある場合(被害の直後に限らない)や、子どもに緊急の医療が必要な場合などは「急迫の事情」として、父母の一方が一人で親権を行えます(法務省民事局パンフレット)。
再婚相手と子どもの養子縁組で必要な同意
再婚相手が子どもと養子縁組をすると、法律上の親子になります。未成年の子を養子にする時は、原則として家庭裁判所の許可が必要ですが、配偶者の子(連れ子)を養子にする場合は許可がいらないとされています(民法第798条、裁判所「養子縁組許可」)。そのうえで、だれの同意が必要かは、子どもの年齢と親権の形で変わります。
| あなたの状況 | 15歳未満の子の場合 | 15歳以上の子の場合 |
|---|---|---|
| 単独親権(自分が親権者) | 親権者である自分が、子どもに代わって承諾する。元の配偶者が「監護者」と定められている時は、その同意も必要 | 子ども本人が縁組をする(届出人になる) |
| 共同親権 | 父母が共同で子どもに代わって承諾する。元の配偶者が反対の時は、家庭裁判所の手続きを考える | 子ども本人が縁組をする(届出人になる) |
(民法第797条、法務省「Q&A形式の解説資料(民法編)」、裁判所「養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可」、岡山市「戸籍届・養子縁組届」をもとに当サイト作成)
元の配偶者が反対している時:法務省のQ&A形式の解説資料では、共同親権の子と再婚相手の養子縁組について、父母の一方が反対している場合は、承諾についての「親権行使者」を定める審判を申し立てることが考えられるとしています。ただし家庭裁判所がこの審判をできるのは、子どもの利益のため特に必要がある場合に限られるとされています(法務省, 民法第797条第4項)。再婚相手と暮らしたいという大人の都合だけでなく、子どもにとってどんな意味があるかを、話し合いの中心に置きましょう。
監護者が同意しない時:子どもの監護者と定められた親が同意しない場合でも、縁組が子どもの利益のため特に必要な時は、家庭裁判所に「同意に代わる許可」を求めることができます。申立ては子どもの住所地の家庭裁判所で、費用は収入印紙800円分(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手です(裁判所)。
手続きの順番や必要な書類、名字・戸籍がどう変わるかは再婚と子どもの名字・養子縁組の手続きで、表にまとめています。
養子縁組の後は、だれが親権者になるか
改正後の民法では、子どもが養子の時は、養親と、その配偶者である実の親が親権者になると定められています(民法第818条第3項)。法務省のパンフレットでは、離婚した父母の一方の再婚相手が養親になる場合(連れ子養子)、離婚後に共同親権としていても、もう一方の親は親権を失うと説明されています(法務省民事局パンフレット)。こども家庭庁の「ひとり親家庭のためのポータルサイト」にも、同じ説明があります。
一方で、養子縁組をしても、子どもと実の親との親子関係はなくならないです(岡山市「戸籍届・養子縁組届」)。元の配偶者が親権を失っても、子どもの親であることに変わりはないです。子どもが実の親と会う予定(親子交流)がある場合は、再婚相手にも早めに伝えておきましょう。養育費が再婚でどうなるかは再婚の手続きとお金の基本の養育費の節で確かめられます。
養子縁組はせず、子どもの名字だけ変えたい時
再婚相手と養子縁組をしない場合、親が再婚して名字が変わっても、子どもの名字は自動的には変わらないです。子どもの名字を親と同じにするには、家庭裁判所の「子の氏の変更許可」を受けてから、市区町村に入籍届を出します(民法第791条、裁判所)。
裁判所の案内では、子どもが15歳未満で共同親権の場合、この申立ては原則として父母が共同で(連名で)行う必要があるとされています。父母の話し合いがまとまらない時は、親権行使者の指定の手続きをすることが考えられ、手続きで指定された親は一人で申し立てられます(裁判所「子の氏の変更許可」)。
話し合いがまとまらない時:親権行使者の指定
共同で決めるべきことについて父母の意見が合わない時は、家庭裁判所が、父または母の請求で、その事柄だけを父母の一方が一人で決められるよう定める仕組みがあります(民法第824条の2第3項)。裁判所の案内では、次のように説明されています(裁判所「親権行使者の指定調停」)。
- 申し立てるのは、父または母
- 申立先は、相手の住所地の家庭裁判所か、父母が合意で決めた家庭裁判所
- 費用は、収入印紙1,200円分(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手
- 調停で話し合いがまとまらなければ、自動的に審判に移り、裁判官が一切の事情を考えて決める
- 手続きの期限までに十分話し合えるよう、余裕を持った期間で申し立てる
法務省のQ&A形式の解説資料では、この指定は家庭裁判所の審判などで行うもので、父母が私的に作った文書で指定することは想定されていないとされています(法務省)。再婚の時期や入学の時期が決まっている人は、早めに家庭裁判所の手続案内や法テラスに相談しましょう。
再婚を考える人に合う出会い方
マッチングアプリは18歳未満の方は利用できません(出会い系サイト規制法)。
共同親権の取り決めがある人ほど、相手に早い段階で事情を分かってもらえる出会い方を選ぶと、後の話し合いが楽になります。IBJの公式ブログでは、結婚相談所では婚歴や子どもの有無をプロフィールに書く必要があるため、それを知ったうえで会いたいと思った人とお見合いをすることになると説明されています(IBJ公式ブログ, 2025年8月21日)。担当のカウンセラーに、子どもの状況や話し合いの予定を相談しながら進められるのも、結婚相談所のよさです。ただし、親権や養子縁組の判断は相談所の担当者ではなく、法律の専門家や家庭裁判所の手続案内に確かめましょう。
どの相談所が自分に合うかは、料金やサポートを並べて比べると選びやすくなります。資料を取り寄せるだけなら、入会を決める必要はないです。
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結婚相談所を2〜3社、同じ物差しで比べたい方へ
年代や住んでいる地域などから結婚相談所が選ばれ、料金やサポートが載った資料を無料でまとめて取り寄せられるサービスです(運営:株式会社じげん。公式サイト、2026年10月3日確認)。
申し込みには名前・住所・電話番号の入力が必要です。資料の到着確認の電話が来る場合があると公式サイトで案内されています。キャンペーンの条件は申し込み画面で確かめましょう。
子どもへの伝え方と順番は子連れ再婚の伝え方と順番、相手への離婚歴の伝え方は離婚歴の伝え方、婚活全体の進め方は再婚の婚活でまとめています。
制度を知ることは、子どもと新しい家族の両方を守る準備です。
共同親権という新しい言葉に、身構えてしまった人もいるかもしれません。けれど、確かめてみると、あなたが新しいパートナーと結婚することは、これまでと変わらずできます。変わったのは、子どもの大切なことを、離れて暮らす親とも一緒に考える仕組みが整ったことです。何を二人で決めるのかを先に知っておけば、慌てずに順番を組み立てられます。分からないところは、専門の窓口に聞きながら進めましょう。
今日からできる小さな一歩
- 離婚の時の取り決めの書類を出し、親権(共同か単独か)と監護者の定めがあるかを確かめる
- 再婚に伴って変えたいこと(住む場所・子どもの名字・養子縁組)に印をつける
- 印をつけた項目のうち「二人で決めること」を、元の配偶者に伝える時期と方法をメモにする
困った時の相談窓口
- 法律のこと全般(親権・養子縁組・名字):法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時。祝日・年末年始を除く)
- 親権行使者の指定・子の氏の変更・養子縁組の同意に代わる許可:お住まいの地域の家庭裁判所(手続案内)
- 養育費や親子交流の相談:養育費・親子交流相談支援センター(こども家庭庁の委託事業、0120-965-419)
- DVの相談:DV相談ナビ(#8008)
- 子どもへの虐待の相談・通告:児童相談所虐待対応ダイヤル(189)
最終確認日:2026年10月23日
参考にした資料
- e-Gov法令検索「民法」(第731条〜第737条、第791条、第797条、第798条、第818条、第824条の2、第824条の3、2026年10月23日確認)
- 法務省「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について〔令和8年4月1日施行〕」(2026年9月最終更新、2026年10月23日確認)
- 法務省民事局「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(パンフレット、2026年1月改訂、PDF)
- 父母の離婚後の子の養育に関する民法等改正法の施行準備のための関係府省庁等連絡会議「Q&A形式の解説資料(民法編)」(2026年9月11日改訂、PDF)
- 法務省「民法等の一部を改正する法律について」(再婚禁止期間の廃止、2024年4月1日施行)
- 裁判所「親権行使者の指定調停」(2026年10月23日確認)
- 裁判所「子の氏の変更許可」(2026年10月23日確認)
- 裁判所「養子縁組許可」(2026年10月23日確認)
- 裁判所「養子縁組の承諾をするについての同意に代わる許可」(2026年10月23日確認)
- こども家庭庁 ひとり親家庭のためのポータルサイト「民法等改正について」(2026年10月23日確認)
- 岡山市「戸籍届・養子縁組届」(2026年10月23日確認)
- IBJ公式ブログ「バツイチ・子持ちの再婚に結婚相談所がおすすめな理由」(2025年8月21日、2026年10月23日確認)
- 法テラス「お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)」