再婚と子どもの名字・戸籍・養子縁組の手続き|子の氏の変更許可と入籍届、普通養子縁組と特別養子縁組の違いを手順の表で(2026年10月確認)
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再婚が決まると、「子どもの名字は、いつ、どうやって変えるの」「再婚相手と養子縁組をしたほうがいいの」「普通養子縁組と特別養子縁組は何が違うの」と、手続きの疑問が一度にやってきます。役所や裁判所の言葉は難しく、どこから手をつければよいか迷うのも当然です。この記事では、民法の条文と、裁判所・法務省・市区町村が公表している案内をもとに、子どもの名字と養子縁組の手続きを、順番と表で整理します。
この記事のまとめ
- 親が再婚して名字が変わっても、子どもの名字は自動的には変わらない
- 名字だけをそろえるなら「家庭裁判所の子の氏の変更許可 → 市区町村への入籍届」。再婚相手との親子関係はできない
- 再婚相手と法律上の親子になるなら「普通養子縁組」。連れ子の場合は家庭裁判所の許可がいらず、市区町村への届出で成立し、子どもは養親の名字になる
- 「特別養子縁組」は家庭裁判所が成立させる別の制度で、もう一方の実の親との法律上の親族関係が終わる。父母の同意や6か月以上の監護の状況などが求められる
- 子どもの名字をそろえる3つの道と、それぞれで変わること
- 子の氏の変更許可と入籍届の手順(必要な書類・費用)
- 連れ子との普通養子縁組の手順(同意・証人・届出先)
- 特別養子縁組との違いと、手続きの後に必要なこと
この記事は、公的機関が公表している一般的な情報を整理したもので、個別の事情についての法律相談ではないです。必要な書類や窓口の扱いは、市区町村や家庭裁判所によって違うことがあります。手続きの前に、届け出る市区町村の戸籍の窓口や、家庭裁判所の手続案内で確かめましょう。

こんな迷いはありませんか
- 再婚の届けを出せば、子どもの名字も一緒に変わると思っていた
- 名字をそろえるだけなのか、養子縁組までするのか、違いが分からない
- 家庭裁判所に行く必要があるのか、市役所だけで済むのか知りたい
- 元の配偶者の同意がいるのかが心配
どれも、子連れで再婚する多くの人が最初につまずくところです。まずは全体の地図から見ていきましょう。
まず知っておきたいこと:子どもの名字は自動的には変わらない
民法では、子どもの名字が父または母の名字と違う時は、子どもは家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところで届け出ることで、その父または母の名字にできると定められています(民法第791条第1項)。裁判所の案内でも、子どもの名字が父または母と違う場合に、家庭裁判所の許可を得れば、父または母の名字に変えられると説明されています(裁判所「子の氏の変更許可」)。
つまり、あなたが再婚して名字が変わっても、子どもの名字はそのままです。子どもの名字をどうするかには、大きく分けて次の3つの道があります。
| 道 | 子どもの名字 | 再婚相手との関係 | 主な窓口 |
|---|---|---|---|
| A:名字だけそろえる(子の氏の変更許可+入籍届) | 親と同じ名字になる | 法律上の親子にはならない | 家庭裁判所 → 市区町村 |
| B:普通養子縁組 | 養親(再婚相手)の名字になる | 法律上の親子になる。実の親との親子関係も続く | 市区町村(連れ子なら家庭裁判所の許可は不要) |
| C:特別養子縁組 | 養親の名字になる | 法律上の親子になる。もう一方の実の親との親族関係は終わる | 家庭裁判所の審判 → 市区町村 |
| (何もしない) | 今の名字のまま | 法律上の親子にはならない | 手続きなし |
(民法第791条・第798条・第810条・第817条の2〜第817条の9、裁判所・岡山市の案内をもとに当サイト作成。どれが良いという順位ではないです)
どの道を選ぶかで、相続や扶養など、子どもと再婚相手の法律上の関係が変わります。お金や相続への影響は再婚で知っておきたい手続きとお金の基本で確かめましょう。
道A:子の氏の変更許可と入籍届の手順
再婚相手とは養子縁組をせず、子どもの名字を自分(実の親)の名字にそろえる方法です。手順は次のとおりです。
| 手順 | すること・窓口 | 必要なもの・費用 |
|---|---|---|
| 1. 家庭裁判所に申し立てる | 子どもの住所地の家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立てる。申し立てるのは子ども本人(15歳未満なら法定代理人が代わりに行う) | 申立書、子どもの戸籍謄本(全部事項証明書)、父・母の戸籍謄本。収入印紙800円分(子ども1人につき)と連絡用の郵便切手 |
| 2. 許可の審判書を受け取る | 家庭裁判所が審理し、許可の審判をする | 審理のために追加の書類を求められることがある |
| 3. 市区町村に入籍届を出す | 子どもの本籍地か、届出人の所在地の市区町村に出す。届出人は子ども本人(15歳未満なら法定代理人) | 入籍届、家庭裁判所の子の氏変更許可審判書の謄本 |
(裁判所「子の氏の変更許可」、目黒区「入籍届」をもとに当サイト作成。2026年10月23日確認)
- 入籍届に届出の期限はなく、届け出た日から効力が生じる(目黒区)
- 2024年3月1日から改正戸籍法が施行され、戸籍の届出の時に戸籍謄本を添付することは原則として不要になった。ただし戸籍がコンピュータ化されていない場合は必要(目黒区)
- 子どもが15歳未満で、離婚後に共同親権の場合は、原則として父母が共同で(連名で)申し立てる。話し合いがまとまらない時は親権行使者の指定の手続きが考えられる(裁判所)
- 名字を変えた未成年の子は、成年に達した時から1年以内に届け出れば、もとの名字に戻ることができる(民法第791条第4項)
共同親権の場合の進め方は、共同親権と再婚で詳しくまとめています。
道B:再婚相手との普通養子縁組の手順
再婚相手が子どもの法律上の親になる方法です。未成年の子を養子にする時は原則として家庭裁判所の許可が必要ですが、自分や配偶者の子や孫を養子にする時は許可がいらないと定められています(民法第798条、裁判所「養子縁組許可」)。そのため連れ子との養子縁組は、多くの場合、市区町村への届出で手続きが進みます。
| 手順 | すること | 確かめること |
|---|---|---|
| 1. 同意をそろえる | 子どもが15歳未満なら、親権者が子どもに代わって縁組を承諾する。15歳以上なら子ども本人が縁組をする | 共同親権なら父母が共同で承諾する。親権者とは別に監護者がいる時は、その同意も必要 |
| 2. 養子縁組届を書く | 養親(再婚相手)と養子(15歳未満なら法定代理人)が届出人になる | 成人の証人2人の署名が必要 |
| 3. 市区町村に届け出る | 養子か養親の本籍地、またはどちらかの所在地の市区町村に出す | 窓口に行く人は、顔写真付きの本人確認書類を持つ |
| 4. 効力が生じる | 届け出た日から効力が生じる。届出の期限はない | 子どもは養親の名字になる(民法第810条) |
(民法第795条・第797条・第798条・第810条、岡山市「戸籍届・養子縁組届」、法務省「Q&A形式の解説資料(民法編)」をもとに当サイト作成。2026年10月23日確認)
- 結婚している人が未成年の子を養子にする時は、原則として夫婦がそろって養親になるが、配偶者の嫡出の子(結婚していた時に生まれた子)を養子にする場合は、再婚相手だけが養親になれる(民法第795条)
- 養子縁組をしても、子どもと実の親との親子関係はなくならない(岡山市)
- 連れ子養子の後は、養親(再婚相手)と、その配偶者である実の親が親権者になる。離婚後に共同親権だった場合でも、もう一方の親は親権を失う(法務省民事局パンフレット)
- 共同親権で元の配偶者が縁組に反対している場合、家庭裁判所が親権行使者を指定できるのは、子どもの利益のため特に必要がある時に限られる(民法第797条第4項)
道C:特別養子縁組とは(普通養子縁組との違い)
特別養子縁組は、家庭裁判所が成立させる養子縁組で、子どもと実の親側との法律上の親族関係が終わる制度です(裁判所「特別養子適格の確認・特別養子縁組成立」)。民法では、父母による監護が著しく難しいか不適当であることなど、特別の事情がある場合に、子どもの利益のため特に必要があると認める時に成立させると定められています(民法第817条の7)。
| 項目 | 普通養子縁組(連れ子) | 特別養子縁組 |
|---|---|---|
| 成立のしかた | 市区町村への届出 | 家庭裁判所の審判 |
| 子どもの年齢 | 養親より年下であること(15歳未満は親権者が代わりに承諾) | 原則として15歳未満(例外あり)。15歳に達している場合は本人の同意が必要 |
| 実の父母の同意 | 15歳未満なら親権者の承諾。監護者がいればその同意 | 父母の同意が必要(虐待などの事情がある時を除く) |
| 養親 | 再婚相手だけでなれる | 結婚している25歳以上の人が原則(夫婦の一方が25歳未満でも20歳以上なら可)。配偶者の嫡出の子なら、再婚相手だけでなれる |
| 監護の期間 | 決まりはない | 養親が6か月以上監護した状況を考えて判断する |
| もう一方の実の親との関係 | 続く | 法律上の親族関係が終わる(配偶者である実の親との関係は続く) |
| 離縁 | 話し合い(協議)などでできる | 原則としてできない |
(民法第793条・第797条・第811条・第817条の3〜第817条の10、裁判所「特別養子適格の確認・特別養子縁組成立」をもとに当サイト作成)
特別養子縁組の申立ては、養親となる人の住所地の家庭裁判所に行い、特別養子縁組成立の申立てには収入印紙800円分(養子となる者1人につき)がかかります(裁判所)。もう一方の実の親との法律上の関係がなくなるという大きな決めごとなので、考えている人は、申し立てる前に弁護士や家庭裁判所の手続案内に相談しましょう。
手続きの前に、子どもと話しておきたいこと
名字は、子どもにとって学校や友だちの間での呼ばれ方そのものです。2026年4月1日に施行された改正民法では、父母は子どもの人格を尊重し、年齢や発達の程度に配慮して養育しなければならないと定められました(民法第817条の12)。法務省などのQ&A形式の解説資料では、子どもの人格を尊重することには、子どもの意見や意向を適切な形で尊重するという趣旨が含まれていると説明されています(関係府省庁等連絡会議, 2026年9月11日改訂)。
- 名字を変えるか、いつ変えるかを、決める前に子どもに聞く
- 学年の切り替わりなど、変える時期の希望も聞く
- 再婚相手をどう呼ぶかは、名字の手続きとは別に、子どものペースに合わせる
子どもへの伝え方の順番は子連れ再婚の伝え方と順番でまとめています。
手続きの後に必要なこと
目黒区の入籍届の案内では、名字が変わった後に、該当する人は次の手続きが必要になる場合があると案内されています(目黒区「入籍届」)。お住まいの市区町村でも、同じような手続きがないか確かめましょう。
- 国民健康保険に入っている人の「資格情報のお知らせ」または「資格確認書」の内容変更
- 名字が変わると印鑑登録が自動的に廃止されるため、必要な人は登録し直す
- 児童手当の手続き
- 子どもの医療費助成制度の手続き
このほか、学校や保育園、銀行口座、パスポートなどの名前の変更も、必要に応じて進めましょう。
再婚を考える人に合う出会い方
マッチングアプリは18歳未満の方は利用できません(出会い系サイト規制法)。
名字や養子縁組のことは、交際がかなり進んでから話題になることが多いです。だからこそ、子どもがいることを最初から分かってもらえる出会い方を選ぶと、こうした話も落ち着いて相談できます。IBJの公式ブログでは、結婚相談所では婚歴や子どもの有無をプロフィールに書く必要があり、一部の相談所にはシングルマザー(ファザー)向けの料金プランがあると説明されています(IBJ公式ブログ, 2025年8月21日)。料金やサポートは相談所によって違うので、いくつかの資料を並べて比べましょう。資料を取り寄せるだけなら、入会を決める必要はないです。
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結婚相談所を2〜3社、同じ物差しで比べたい方へ
年代や住んでいる地域などから結婚相談所が選ばれ、料金やサポートが載った資料を無料でまとめて取り寄せられるサービスです(運営:株式会社じげん。公式サイト、2026年10月3日確認)。
申し込みには名前・住所・電話番号の入力が必要です。資料の到着確認の電話が来る場合があると公式サイトで案内されています。キャンペーンの条件は申し込み画面で確かめましょう。
再婚の婚活全体の進め方は再婚の婚活、子どもがいる人の婚活は子どもがいる人の婚活でまとめています。
手続きは、新しい家族のかたちを一緒に決める時間でもあります。
名字をそろえるか、養子縁組をするか、今は何もしないか。どれを選んでも、家族の絆の強さが決まるわけではないです。大切なのは、子どもと再婚相手と自分の気持ちを確かめながら、無理のない順番で進めることです。書類のことは窓口が教えてくれます。一つずつ確かめながら進めましょう。
今日からできる小さな一歩
- この記事の3つの道(A・B・C)のうち、考えている道に印をつける
- 離婚の時の書類で、親権(共同か単独か)と監護者の定めを確かめる
- 本籍地か住んでいる市区町村の戸籍の窓口に、必要な書類を電話で聞く
困った時の相談窓口
- 子の氏の変更・特別養子縁組・同意に代わる許可:お住まいの地域の家庭裁判所(手続案内)
- 入籍届・養子縁組届の書き方と必要なもの:届け出る市区町村の戸籍の窓口
- 法律のこと全般(親権・養子縁組・相続):法テラス・サポートダイヤル(0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時。祝日・年末年始を除く)
- ステップファミリーの悩み:SAJ(ステップファミリー・アソシエーション・オブ・ジャパン)の相談窓口
最終確認日:2026年10月23日
参考にした資料
- e-Gov法令検索「民法」(第791条、第795条、第797条、第798条、第810条、第811条、第817条の2〜第817条の12、2026年10月23日確認)
- 裁判所「子の氏の変更許可」(2026年10月23日確認)
- 裁判所「養子縁組許可」(2026年10月23日確認)
- 裁判所「特別養子適格の確認・特別養子縁組成立」(2026年10月23日確認)
- 目黒区「入籍届」(2026年10月23日確認)
- 岡山市「戸籍届・養子縁組届」(2026年10月23日確認)
- 法務省民事局「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」(パンフレット、2026年1月改訂、PDF)
- 父母の離婚後の子の養育に関する民法等改正法の施行準備のための関係府省庁等連絡会議「Q&A形式の解説資料(民法編)」(2026年9月11日改訂、PDF)
- IBJ公式ブログ「バツイチ・子持ちの再婚に結婚相談所がおすすめな理由」(2025年8月21日、2026年10月23日確認)
- SAJ「じっくり相談したい」(相談窓口)
- 法テラス「お電話でのお問合せ(法テラス・サポートダイヤル)」